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勝手気ままな四方山話


by mac-ai
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物語は突然始まる

文才の全く無い私ですが,暇をもてあまして物語りなんぞ書いてみようかと思い,某SNSにて連載し,途中挫折(笑)
その恥ずかしい内容をご披露させて頂きます(笑)
あまりに恥ずかしいので,そのうち削除するかもしれません。


時計ヲタ殺人事件
【時計を愛するあまり,死に至った亀太郎の物語】


この物語はフィクションですので,人物はおろか社名・国名に至るまで全て架空のものです。
しかも,稚拙な私の頭で考えた,構成比作り話60%嘘っぱち5%妄想35%の病的内容ですので,事実関係は全くありません。


時は21世紀初頭,日木国(にきこく)の片隅で事件は起こった。
時計を趣味として,その薀蓄や製造工程に興味を持っていた亀太郎は,近年疑問が生じ始めていた。
それは,異常な価格高騰が続きながらも憧憬を抱いていた西瑞国(にしみずこく)製時計の中で,良心的と称される20万円以下の時計に故障が多い事だ。これらは症状が共通していて,リューズの巻きがきつくなるものだった。これまでの西瑞国(にしみずこく)のメーカーは,このような不具合が発生すると,すぐに対策を講じたものであった。
しかし,今回はやけに長く続いたように感じた。これらの時計に搭載されるムーヴメントは殆ど同じで,ジョセリータ社のものであった。

ジョセリータ社はこれまで世界で最も大きいヒゲダ・ルーマグループ傘下バスク社のムーヴメントを扱っていた。しかしこのところ自社製と称するムーヴメントを開発し販売するようになったのだ。
亀太郎はこの機械を見て思った。
「中花国(なかはなこく)に旅行した際に見たことのある口臭社のムーヴメントに酷似している・・・・」早速調べに入った。
宝船時計のホームページを見て驚く。そこには件のムーヴメントがカタログに堂々と載せられている。しかもジョセリータ社と同じ品番SVV20O(エス・ヴイ・ヴイ・ツー・ゼロ・オー)であった。宝船時計が口臭社の機械を売っている事は周知の事実であった事から,亀太郎は一つの仮説を立てる。「これは同一ではないだろうか。」
仮説が確信に変わるには,そう時間は掛らなかった。
何故ならば,亀太郎の友人知人の類には,その方面に通じる人物が何人もいたからだ。

亀太郎には同士がいた。中花国(なかはなこく)方面に明るい鶴太郎と中花人の劉だ。
両名はやはりこの件の興味を持ち,それぞれ各方面から調べる事となる。
かれこれ数ヶ月が経つ。そろそろ複数の有力な情報が入り始める。どうやら推測は的中したようだ。

亀太郎がこれまでに集まった情報を収斂すると,以下のような結論に達する。
昔日,ヒゲダ・ルーマ傘下のバスク社は,中花(なかはな)のフレッシュ地区の工場にて極秘裏にムーヴメントを製作し始めた。しかし,これは誰もが薄々気付いていたであろう。
この工場の設備等はすべて西瑞(にしみず)から持ち込まれた物であり,生産に関しても西瑞(にしみず)のクォリティーコントロールで生産されていた為,完成度は高く,人件費の安さが功を奏し,実に安く素晴らしいムーヴメントの大量供給を実現していた。
中花(なかはな)は国家的に知的所有権の概念が乏しく,模倣天国と化していた。その中花(なかはな)で工場生産を展開する事は,自らを絞首する事になるのは必至であった。
物語は突然始まる_e0096004_18423396.jpg

案の定,バスク社製ムーヴメントの模倣品が大量に出始めた。
この事実がヒゲダ・ルーマグループのヒーゲ・ダルマック総帥の耳に入ると,この工場の設備一式を引揚げ,中花(なかはな)撤退の命令を下した。
しかし,この命令は遅すぎた。吝嗇で狡猾な中花(なかはな)の工作人達はムーヴメントだけではなく,その生産ラインやノウハウまで全てコピーしていたのである。

通常の商業活動で思慮するならば,ここで必然的に提訴となる。バスク社は抗う事を避けた。係争事に及べば,これらの事実が全て公の下に晒される。バスク社が中花のフレッシュ地区で作ったムーヴメントにNishimizu madeと刻印を入れていた事があからさまになっては,バスク王国も砂上の楼閣と化してしまいかねない。そこで何も無かった様に振舞うしかなかったのである。

生産ラインを引き上げても,一向に模倣品の流出は止まる気配を見せなかった。中にはバスク社の刻印まで入った悪質な物まで出始め,これにはダルマック総帥も業を煮やした。そこでこれまで取引のあったジョセリータ社に後始末をさせようと目論んだ。バスク社の互換機を売らせる作戦だ。
これらをバスク社の互換機改良型の自社ムーヴを発表させた。
それはSVV20O(エス・ヴイ・ヴイ・ツー・ゼロ・オー)と命名され,多くのエタブリスールに販売された。これらは殆どが中花国(なかはなこく)で製造されたものであった。

しかし西瑞国(にしみずこく)製でなければ売れない。これにはからくりがあると亀太郎は思った。Nishimizu made の基準だ。

ムーヴメントに関してこの表記を許される為には,以下の条件を満たさなければならなかった。
1.組立が西瑞国(にしみずこく)内で行われていること

2.製造者による検査が西瑞国(にしみずこく)内で行われていること

3.ムーヴメント部品コストの少なくとも50%に西瑞(にしみず)部品が使用されていること
(ただし組立コストは含まず)。

まずは1に関してだ。これは納入先の銘の入ったローターやブリッジが必須である。ローターに西瑞で刻印を入れた場合,これらの組立ては西瑞で行なわれた事となる。
2に関しても,製造者であるジョセリータ社が自ら検査調整をするのでクリアする。
問題は3であるが,ローターを西瑞国(にしみずこく)内で製作したと仮定すればどうなるだろうか。部品点数の50%ではなく,部品コストの50%となっているのが味噌だ。
人件費の高い西瑞国(にしみずこく)で製造されたローターならば,人件費の低い中花国(なかはなこく)で製造されたムーヴアッセンブリーよりも高価になるだろう。従って部品コストの50%超もクリアする。
因って,立派な西瑞(にしみず)ムーヴメントの誕生だ。
亀太郎はこの仮説を確信していた。

しかし何がしかの証拠が欲しいところだ。これ以上日木国(にきこく)のユーザーが惑わされる事は,時計ヲタとして許せなかったからである。もし確固たる証左があるならば,これを公表し,これらを搭載した時計について,公の下詳らかに講評文として記そうと画策していた。

同士鶴太郎は中花国(なかはなこく)に鳩(使者)を飛ばし,調査を強化した。劉も時を同じくし,調査を始めた。どうやら核心に辿り着けそうだ。亀太郎の心も躍った。しかし,あと少しのところで核心には至れなかった。メーカーの口臭社も,販売している宝船時計も,これは秘中の秘。たやすく開示することは出来ない。劉はオーダーを入れた。しかし「西瑞国からの輸入品なので納期がかかり,しかも高額になる。」との返答だった。
勿論このSVV20Oはカタログにも掲載されている商品である。そこで「こちらで製作している物を分けて欲しいのだ。」と返すも「これは西瑞(にしみず)製なんだ!」としか返答が無い。劉は引き下がらなかった。「ここで作られている事は解っている。だから少し分けて欲しい。」それでも売ろうとはしなかったが,一部口を滑らせた「これは西瑞(にしみず)との話しだから,これ以上首を突っ込むな。」

要道作戦は一部功を奏した。鶴太郎が放った使者も,別所にて同様にオーダーを入れた。既にガードは固かった。しかし,もう全てが解っている旨伝えると,やはりこれ以上首を突っ込むなと言われた。どうやら確信は事実であるようだ。これだけでは証拠能力としては極めて弱い。物的証拠が欲しいところだが,これ以上は難しい。

その頃,日木国(にきこく)内の大型ネット掲示板でジョセリータ社のムーヴメントは中花国(なかはなこく)製ではないかとの書き込みが原因で,ネットを中心に謳歌の拙が流れ始めた。これは亀太郎や鶴太郎一派の仕業ではない。しかし,同様の疑惑を抱いている人物が,かなりいる事の顕れであった。これは他国にも飛び火し,国際的な流言飛語へと発展する事となった。


つづく の 予定だったけど,このところ面倒になったのでたぶん続かない(笑)


※TSS様 画像無断で 拝借 加工致しました。
  問題あれば,お叱り下さいませ。 m(__)m
by mac-ai | 2008-11-06 18:45 | タブー