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勝手気ままな四方山話


by mac-ai
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AP cal.3003/1

お友達のTakさんところで綺麗なムーヴについてのエントリーに触発され,手元の機械で多分最も綺麗であろうAPのcal.2003について少々書いてみようかと思います。

手元にあるのは今年初めにオークションで落札した裸ムーヴです。
少し傷みのある文字盤と針が付いていますので,いずれケーシングして時計にしたいと考えています。
AP cal.3003/1_e0096004_23405547.jpg


この機械の凄いところは,何と言っても薄い事。
厚みは1.64mmしかなく,私の知りうる限りレマニアの1210(1.2mm)に次ぐ薄さではないかと思います。
この極限までに薄く作られているにも関わらず,5ポジの調整がなされ精度もしっかり出ているのが素晴らしく,雲上たる機械の所以とも言えましょう。
AP cal.3003/1_e0096004_23473524.jpg
AP cal.3003/1_e0096004_2348286.jpg

この通り100円玉より薄い(笑)
仔細に見てみると驚く事に,この厚みにしてしっかり仕上げがなされています。
ギアのスポークが面付きになっているのは驚きはしませんし,ブリッジの面取りも当然なされていますが,これも雲上ブランドの機械であれば当然とも言えましょう。
AP cal.3003/1_e0096004_23515793.jpg
AP cal.3003/1_e0096004_23522596.jpg

厚みが無いので比較的厚みのある機械に比べると,ブリッジの面取りや磨きには少々及ばない感じはありますが,それでもかなり綺麗な印象を受けます。
丸穴車などの歯も綺麗に仕上げられていますし,コハゼの押さえバネも綺麗です。
AP cal.3003/1_e0096004_23554078.jpg
AP cal.3003/1_e0096004_23571185.jpg

ビスもある程度,面が出ています。
バセロンは同機でジュネーブシールを取得していますので,当然といえばそれまでですね。
(ジュネーブシールでは面だししてないビスは基準から外れます)

本当の凄さはここからです。
こんなに薄い機械でも,天輪にチラネジが付いていますが,ちゃんとネジが切ってあるばかりかチラ座まで入っています。これには驚きです。(向かい合っている反対側にも同様に入れてありました)
AP cal.3003/1_e0096004_23593651.jpg

肉眼にて目視するのは,殆ど不可能なぐらい小さく薄い物です。
気分的にアルミ箔(普通12μmぐらいでしょうか)より少し厚いぐらいというのはオーバーですが,コピー用紙の厚みと比べてもそれより薄いような感じがします。

最も嬉しいところはアンクルが面取りされ,綺麗な鏡面に磨かれているところです。
高級機と言えども,現行モデルでここが綺麗に仕上げてあるモデルがどれだけあるかと考えると,この厚みで仕上げてるのは特筆すべき点であると思います。
AP cal.3003/1_e0096004_045343.jpg


JLCのエボーシュで,バシュロンコンスタンタンにも同機がcal.1003として使用されています。
いずれもキャリバーナンバーの下に/1が付く物と/2が付く物があり,後者はショックレジスト(KIF?)が装着されている事と1石増えているようです。

薄型好きにはFPのcal.21(1.73mm)同様,たまらない機械である事は間違いなさそうです。


この他,綺麗なムーヴとしてパテックの27-460系の機械を,いずれ何とか手に入れたいと考えていますが,いろんな意味でこれはかなりハードルが高そうです。

by mac-ai | 2010-02-22 00:22